自分の恋人は、外見とは裏腹になかなか可愛いところがある、と最近よく思う。
*
「……〜ッだーかーら、言ったのにッ!」
「……」
「絶対こうなると思ったんだ!」
「……」
「んっ……ゃ、ちょっと!そこは強く引かないで……違う、こっちだってば!」
「……」
「もっと丁寧にしてよね。…こーなったのはアスランのせいなんだからね」
「すみません」
「勝手に手首をリボンで巻き付けたのも君なら、途中でやりにくいからってリボンを解いたのも君だし、その後でいきなり僕の全身に巻き付けようとしたのも君だよね。そのお陰で今こうしてリボンが絡まって大変な思いをしてるのも、全部君のせいだからね!」
「はい、わかってます」
「早く解いてね。シャワー浴びたいし、いい加減に中途半端な体勢も疲れたよ」
「……はい」
「終わったらお腹空いたからご飯もね」
「…何が食べたいのでょうか?」
「……ホットケーキ。久々にメープルシロップが食べたい」
「了解しました、ご主人サマ。…よし、解けた」
「……アスラン……」
「何、キラ?」
「 」
「……ぇ?」
「じゃ、ちゃんと両面はキツネ色にしてね」
「…ぁ、キラ?今何ていっ……」
「じゃあね」
*
僕のご主人サマは君でしょう?
こんな言葉一つに翻弄される恋人を可愛いかな、と思うキラ・ヤマト18の初春。
来年はどんな顔が見れるのか、楽しみでならない彼であった。
written by SATOKA_sama