「…ッ!フリーダム…何をしているんだっシン!?」
「何をって…見て分かりませんか?戦闘シュミレーションですよ。今MSの中で一番強いのは間違いなくこのフリーダムですから」
「…何をっ…」
「一番強い相手を想定しての、これは訓練です。いけないんですか?」
「…シンッ…!」
「何ですっ!?アレは…フリーダムは敵ですっ!だったら、誰かアイツを倒せる人間がいないとならないっ!違いますかっ!?」
「…貴方だってあれには酷くやられた筈です」
「無駄だ」
「………は?」
「無駄だと言ったんだ。お前如きの力でキラとフリーダムに勝てる訳がないだろうが」
「…なっ!?」
「大体前から思ってたんだが、お前最近調子に乗りすぎてないか?まぁそういう年頃なのかもしれないが、だからと言ってキラに勝とうなどと思うあたりやはり馬鹿というか何というか…」
「なっ…ッ!じゃあアンタは俺が負けると言いたいんですかっ!?」
「そうだ。キラがお前に負ける訳がないだろう?」
「じゃあアンタなら勝てるとでも言いたいんですかっ!?あんな、機体ごとメチャクチャにされておきながらっ…!」
「フッ…お前なんぞには分かるまいだろうが、あれはキラからの愛の鞭だ!そしてキラ相手に勝てるのは俺しかいない。戦場でもベッドの上でも!」
「はぁぁぁっ!?ベッドって…大体、キラって誰なんだよさっきから!」
「キラは俺の運命だっ!」
「ンな事は聞いてねぇよ!」
「キラは俺の伴侶で、生きる芸術、まさに天使の如き美しさを持つ最高の恋人だっ!」
「何だよそれ!」
「シン、至急医務室に連絡して安定剤を持ってこさせろ。このままではアスランは暴走する…」
「ぅ…わ、分かったレイ……」
「どうやら、アスランの前でキラとフリーダムの話はしない方が賢明なようだ。いい迷惑だ…」
「…なぁレイ、アスランってやっぱマジにホモだったんだなぁ。ルナマリアの勘ってすげぇ…」
「昔から女の方がこうした勘には優れているそうだからな…」
「何か俺、ちょっと馬鹿馬鹿しくなってきたよ…」
「…俺もだ…」
「…だからその時俺は決めたんだ。俺の命はキラを守る為にあるのだと!キラの為に生きていこう、と!嗚呼キラ愛してるよっ!待ってろよキラ、今すぐ行くからっ!キーーラァーー!!LOVE、アイラブきらぁぁぁぁぁぁ〜!」
その後、かけつけた医療班に無理矢理麻酔を打たれるまで、アスランはキラへの愛を延々叫んでいたとさ。
やっと静かになった部屋では、疲れ果てたシンと流石に憔悴気味のレイが、揃って遠い目をしていたらしい。
終わり。
written by SATOKA_sama