どこかの島国で、鐘が鳴る。
年が終わり、新たなる年を始めるための。
どこか哀愁を感じる、年の瀬。
この寒い星空の下、吐息を吐く。
途端に空気の流れに沿って白いものが目の前を過ぎる。
見上げた空にはきっと神様がいるのかもしれない。
僕の心を見つめて。
時計の針も午前零時を回った。
そして悴んでくる手足の冷たさも、この大きな空の前には敵わないから。
待っているんだよ、君を。
そしてあなたを。
独り、この丘の上で。
約束だものね、新年一番最初に会おうって。
派手なお祭り騒ぎなんていらないから。
早く、君たちの鼓動を聞かせて。
そうしたら僕は、また笑えるから。
ほら。今、新たな命が生まれたよ。
Happy birthday to shining star・・・・」
僕は流れ星にお祝いの言葉を贈ろう。
そしてこれから始まるまた違う日常に。
遠くから僕を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
それはだんだんとこの丘の僕が立っている場所に近付いてくる。
もうすぐ会えるね・・・・。
僕の瞳は星空を映さないように目を閉じるよ。
君たちの声を聞くために。
「「「「「キラっ!!」」」」」
そして、僕は振り返る。
一番の笑顔で。
「みんな、あけましておめでとう!!」
written by メサージュの鳥