アダルトキャラは幼稚園保母(父)さんに、Boys&Girlsは園児でALLキャラ出演!!
幼児化してもアスランのキラマニアは健在で、何かある度に大暴走。
こんな子供なら幾らでもほすぃーい♪
海水浴編、情調教育編、運動会編の3本。



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天晴れ☆SEED幼稚園!!
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青い空、白い雲。寄せる波はリズムを刻み、空飛ぶ海鳥の声に潮風が歌う。
それはまさに南国……

「――のハズなのに〜!!」
ムキ〜ッと叫ぶ彼女の傍には数十人の子供達。

「まぁまぁ、仕方ないっしょ、園長?」
「フラガ先生……」
既に子供達に取り囲まれていた。


そう、今日はSEED幼稚園の夏合宿。皆で海へ来ていたのだった。

「フラガせんせぇ〜」
AA組所属のキラ・ヤマトがフラガに抱きついてきた。
「お、ボウズ、今日も可愛いなぁ〜!」
フラガがキラを抱き締めると、キラの後ろにいたアスラン・ザラがその様子をじぃ〜っと見つめていた。

「お前も来いよ」
言ってフラガが半ば無理矢理抱き込むと、アスランは照れながらも嬉しそうに笑った。
「♪」
それを見て上機嫌なフラガを横目に―――
「今日も風が心地好いな」
SEED幼稚園のカリスマ保父(笑)、ラウ・ル・クルーゼは、シンパのアデス副園長とパラソルの下、優雅にワインを傾けていた。
「クルーゼ先生っ、今は合宿中です!!」
園長・マリューがアデスを見据えると「……」アデスがやつれた視線を送る。(副園長……)つい涙が込み上げてくるマリューだった。


「おっしゃー、子供達!泳ぐぞぉー!!」
フラガが勢い良く右拳を上げると、子供達も歓声と共に、それを習って手を上げた。
「キラ、行こ!!」
「うんっ!!」
海へ飛び込む子供達。
「行くぞディアッカ!ニコル!!」
「オッケ〜」
「うわぁ〜ん、待ってよぉ」
それぞれがはしゃぐ夏の海。


一方大人は――
「クルーゼ先生にはいつもいつも……!」
「分かる、分かりますアデス副園長!!私もフラガ先生にはいつもいつも……!」
愚痴が交わされていた。


「クルーゼせんせぇ!」
ふいにキラがクルーゼの傍にやってきた。
「おや、アスランはどうしたんだい、キラ君?」
クルーゼが微笑んで尋ねると「ニコル、助けに行ったの」クルーゼは海を見て納得した。イザーク、ディアッカの二人に囲まれ、アスランがニコルを庇っている。
「仕方ないな…」
キラの頭を撫で優雅に立ち上がると、クルーゼはそっちへ向かった。


「憶病者を憶病者って言って何が悪い!!」
「悪いに決まってるだろ、泣かすなよ!!」
言い合うアスランとイザークの間に入り、全員に等しくゲンコツ。
「痛ぇ〜!!」
「なんで僕もぉ?」
「ケンカは両成敗。全員反省文書くまで食事抜き!!」
ブーイングを軽く聞き流し、クルーゼは再びパラソルの下に戻った。


夜――合宿では定番の枕投げ合戦が繰り広げられていた。
「とぉりゃあぁぁぁ!!」
「いっけぇぇぇ!!」
「やったなぁぁぁ!!」
楽しそうな笑い声が部屋に響く。


「こらっ、早く寝ないか!!」
そこに現れたのはナタル・バジルール先生。
「うわぁ、鬼ナタルだぁぁ!!」
「なんだとぉ!?」
「ヤッベェじゃん、角生えてきたよぉ〜!」
笑って逃げまわる子供達を一叱、布団へ入らせると、ナタルはやっと職員用の部屋に戻った。
が――――
「先生方ぁぁぁ!!」
そこもまた、ある意味定番な光景だった。



翌日、帰りのバスの中――
「ゔぅ゙…ぎぼぢ悪いぃ〜」
「やっべ…夕べ飲み過ぎた…」
職員達はロー・テンションだった。


「さすがアデス副園長。ご無事ですね」
ナタルが安心したように言う。
「クルーゼ先生も…さすがです」
「いや、バジルール先生…」
安堵するナタルにアデスがオズオズと言った。
「仮面で分かり苦いでしょうが…クルーゼ先生も……」
「なにぃぃ!!?」
「動かないでしょ?」
固まるナタルと涙ぐむアデスだった。


それでも明るい園児達を乗せ、バスは行く、止まることなく延々と。
「バス止めてぇ〜」
「あぁっ、フラガ先生がぁぁ!」
そう、延々と


※  ※  ※


葉桜が囁き合う新緑の季節。合宿から数日たった校舎から、今日も園児の楽しげな声が聞こえてくる。

「でもアスラン?」

「ん?」


花壇の近くでZK組のアスランとAA組のキラが、なにやら話をしていた。

「僕達でもできるの?」
「大丈夫だよ」
アスランが微笑んだ。

「だって入れるところはちゃんとあるから」
「あるの!?」
「うん。あ、でも…慣れるまでは入れる時少し痛むかも」
「え、痛いのぉ?」
涙目のキラにアスランは優しく微笑んだ。
「大丈夫、ちゃんと濡らせば―――」
「こらこらこらぁぁぁ!!」
「……園長先生?」
突如割り込んできたマリューに、キラは目を丸々させ驚き、アスランは軽く舌打ちする。

「アスラーン、なんのお話してたのかしらぁ?」
にこやかに尋ねるマリューと、「いえ、ちょっと生物学を…」 微笑み返すアスラン。
「難しい話してるのねぇ」
マリューが言うと、
「別に…動物の生殖活動についてだけですから」
「オイ、コラ」


「まったく最近の子供達は…」
職員室でマリューがぼやいていると――
「どうしたの、園長?」
フラガが近づいてきた。

「いえ、実は…」
事の次第を話すと、「アッラ〜、若いのねぇ、皆」等と戯けて言った。
「はぁ」机に突っ伏すマリューの肩にフラガが軽く手を置く。
「ま、頑張れ!」
「やめて下さい、フラガ先生……セクハラです」
「え、マジ?」そして今日も日が暮れる。


「先生バイバ〜イ」
「はい、さようなら」
「キラ、今夜泊まりに来な…」
「まっすぐ帰るのよぉ〜!!」
「……チッ!」

様々な想いを抱きながら園児が帰った後の園内では―――
「では帰るぞ、アデス」
「あ、はい」
「お先に失礼します、園長」
「あ、はい、お疲れ様」
教師達もまた、それぞれに帰宅していった。


「……」
「フラガ先生?」
一向に帰る気配のないフラガに、マリューは不思議そうに声をかけた。
「いやぁ、さ…」
「なにか?」
そう言われ、照れ臭そうに頭を掻くと、フラガはそっとマリューに耳打ちした。

「な……!?」
「だめ?」
フラガが頼むように見やる。
「……いいですよ」
「よし、じゃ決まりな!」
そうして二人は仲良く帰っていった。


「見たか、ディアッカ?」
「あぁ、バッチリ!」
「あの二人は“こいびと”なのか?」
「たぶんな…」
「……」
「「明日が楽しみだな」」
悪戯っ子がここに在り。そんなこんなでSEED幼稚園の日は暮れる。


※  ※  ※


青空に響き渡る花火の音―――
今日は幼稚園の運動会……の予行日である。
「ハーイ、じゃあ皆体操しましょうね?」
グランドに集まる園児達に向かってマリューが笑顔で言った。
「オッシャー!!体操のお兄さんだぞぉ!」
フラガがそう言って壇上にあがると――

「いい年して……」
クルーゼの嘲笑が聞こえる。
「んだとぉ〜?」
フラガが振り返る。
「俺はまだまだいけるぞ!」
「馬鹿か?」
「なっ!?」
「うそじゃないぞぉ〜!」
ふいに割り込んでくる幼い声。

見てみると、そこには大きな青い瞳の少年ととイタズラっ子な色を秘めた紫の瞳少年がいた。
「イザークにディアッカか」
クルーゼが確認すると―――

「フラガは現役だぞ!」
「そうそう。俺達こないだ見ちゃったもんねぇ」
「こ…こないだ?」
フラガがギクリとする。嫌な予感がした。
「こないだ皆が帰った後…」
「おぉっとディア君?」
慌ててフラガがさり気なくディアッカの口を塞ぐ。が――

「コイツと園長が職員室でイチャイチャして…」
「キャァァァァァ!!」
続いてマリューがイザークの口を塞ぐ――が時既に遅し。
園児からは不思議な、そして職員からは様々な視線が送られる。


「あはは…」
「まいったな、コリャ……」
「お二人方?」
ナタルが近づいてくる。
「ムウ……」
クルーゼも歩み寄ってくる。
「あ…あはは」後ずさる二人。
「園長ォォォ!!」
「ムウ…貴様ァァァ!!」
その後マリューはたっぷりしぼられ、一方フラガは、数日間クルーゼ諸共、彼の姿を見た者はいなかった。


「ねぇ、アスラン?」
「なに?」
「園長せんせぇとフラガせんせぇ、何して怒られたの?」
「(フフフ…)それは今から教えてあげるよ」
「ほんとぉ!?」
「うん…だからその為にも今日は泊まりにおいで」
「?……うん」
キラに魔の手が伸びる!!?

※  ※  ※


運動会まであとわずか。幼稚園ではフォークダンスの練習に熱が入っていた。
「で、ここまできたら……」
職員の指導に熱心に聞き入る児童達。
「クルーゼせんせぇ!」
AA組のキラが駆け寄ってくる。
「どうした?」
クルーゼの問いには答えず、キラは彼の膝に座り込み微笑んだ。
「せんせぇはどうしてお顔隠してるの?」
その質問にクルーゼは微笑んだ。
「見たいのか?」
「………いいの?」
「構わないよ」
そういってクルーゼはゆっくり仮面を外した。


「どうしたの、キラ」
帰りの会の中、ボーッとしているキラに、アスランを始め職員達も伺ってくる。

「あのねぇ……」

キラの紡ぐ一言一言に注目がいく。

「好きになっちゃった、クルーゼせんせぇが」

「な…なにぃぃぃ!!?」
そこにいた全員が絶叫した。全員の動きが止まる中、クルーゼが歩みでてキラの頭を撫でた。
「ありがとうキラ君。私も君のような子は好きだよ」
「ほんとぉ?」
「あぁ」
「ラ〜ウ〜ちゃぁぁん??」
無論、最後はキラではない。キラの手を取るクルーゼの背後に仁王立ちするフラガ。その表情は穏やかで普段と変わりないが、その瞳だけは違っていた。
「………」
「さぁ皆帰った帰ったぁ!俺達は一足先に帰るぜぇ!?」
言ってフラガは沈黙するクルーゼを引きずって去っていった。


「あの二人は一体……」
「野暮は言わないの、ナタル?」
「はぁ…野暮、ですか」
「そ・う・よ♪」
園長マリュー・ラミアスは腐女子的微笑を浮かべ、去っていった。

「……キラ、僕と先生のどっちが好き?」
「アスランとせんせぇ?う〜ん……やっぱりアスラン!」
「〜〜★キラ、行こ!!」
「うん♪」


のち一週間、クルーゼの素顔&首筋に見え隠れした赤について噂が絶えなかった。
(後、SEED幼稚園7不思議となる)


※  ※  ※


運動会も近づき、今日は組分けが発表される日だった。無論、組は赤・白のニ組だ。
「やったぁ〜!ディアッカ一緒だぞ!!」
「おぉ!でもそりゃ同じクラスだから当然なんじゃねぇ!?」
「深く追求すんなっ!」
「わ…悪かった」

ディアイザが漫才を繰り広げる中、ニコルがオズオズと話しかけてきた。
「た…助けて……」
「なんだぁ〜ニコル?」
「ア…アレ……」
ニコルに指差された先にイザークとディアッカが目をやると、
「ア…アスラン……!?」
「なんか暗雲が……」
一人体育館の隅で縮こまるアスランがいた。その様子は今にもカビとナメクジが大量発生しそうな程だった。

「な…なんなんだ!?」
「ほら…」
驚くイザークにニコルは言った。
「キラは白組で別々になったでしょ?」
「キラって…あのAA組のチビか」
「えぇ――ってなんてこと言うんですか!!」
「「……」」

その時だった。ふいにアスランが立ち上がってフラフラ・ブツブツ歩き出した。
「キラ…なんで敵になってしまったんだ…あぁ、僕は君と戦わなくちゃならないのか?嫌だキラ…どうしたらいいんだ……あぁ、キラ…」
「「重傷だな」」
「…ですね」


ニ組の顔合わせが終わり、それぞれに別れる時。アスランとキラの視線がふいに絡み合う。

「ッ――キラ、君もこっちへ来い!!僕達が戦う理由がどこにある!?」
「アスランッ――僕だって、僕だって君となんて戦いたくないよ!!」
「キラッ!!」
「アスランッ!!」

伸ばされた手が触れそうな時だった。
「「いい加減にしろ!」」
泣く泣く訴えあっていたアスランとキラの首ねっこをそれぞれクルーゼとフラガが掴んだ。

「まったく…ただの運動会で何をしている」
「今生の別れでもあるまいし。ったく…」
「あぁっ、キラァ−!!」
「うわ〜ん、アスラ-ン!!」

こうして、二人は無残にも引き離されたのだった――


written by キタ様

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UpData 2005/09/29
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